仕方なくサイクリング

 新津養蜂園交流会の余談のさらに余談、このブログの趣旨からもはずれますが、再度ご容赦を。しかもカメラを忘れたため、写真なしの長文。うっとうしく思われる方は無視してください。
 今回の交流会へは上尾から往復自転車を使いました。全行程約320km。3日がかりです。理由は単純、まず車の都合がつかなかったこと、もうひとつは電車を使うほど金銭的余裕がなかったこと。挑戦するとか達成感を得るなんて高尚な動機はまったくありません。ロードバイクには憧れるけど高価で手が出ない。実際に乗っているのはリサイクルショップで1万円で買ったJIANT製マウンテンバイク(空気入れとスペアチューブ装着)です。
 8/13(埼玉県上尾市群馬県下仁田町、約100km)
 午後2時、上尾出発。曇りのち小雨、気温30度ほどの涼しさが何より。東松山まで県道、あとは国道254号線をひたすら漕ぎ続ける。JRの青春18切符を使って小海に向かっている老人徘徊団の仲間から、レスキュー隊よろしく頻繁にケータイ連絡あり。自転車に乗っていると、ケータイに出るのがめんどくさい。ごめん、無視して。
 午後8時、下仁田着。ここで仲間の車に拾ってもらい小海までというサポート案も一時浮上した。でもけっきょく助っ人の都合がつかず、当初の予定どおり下仁田泊まりに。下仁田駅の待合所は施錠されていたのでアウト。しかたなく道の駅下仁田まで戻って軒下のベンチに寝転んで夜を明かす。
 ☆この日の小幸せ=野宿でも蚊に刺されなかった。雨のせいなのか、もともと蚊のいない場所なのか。
 8/14(下仁田町→長野県小海町、約55km)
 コンビニで朝食調達後、午前5時半に下仁田道の駅発。曇りときどき小雨、涼しい。254号内山峠越えの予定を急遽変更、なぜか内山峠より登りのきつい別の峠越えをめざす。現地の事前情報なし、地図も携帯していない。道端の案内板だけが頼り。南牧村から長野県に抜ける道は2つ。たまたま出会った村の人によると、大上峠のほうが多少は登りが楽らしい。迷わず選択。
 といっても、下仁田からだと頂上まで30km近い登りが延々と続く。とくに頂上前5kmほどは勾配10度以上がしばしば。そこでは自転車を降りざるを得なかった。押し歩きでも息が上がる。途中一度はカッパを着たものの、けっきょく汗で濡れるより雨で濡れるほうを選んだ。登り標高差870m。
 頂上直下にある南牧自然公園(貸しロッジやキャンプ場がある)からは、雲海が見られた。霧の海に浮かぶ山並みはまさに絶景。それがあっという間に雲で覆われ山が見えなくなってしまう。つかの間の幸運。公園管理人の話によると、ここでは「雷様を下にきく」(富士山の歌でしたっけ)とか。
 大上峠を越えるとあとは爽快な下り。ただ、路面の濡れと凸凹が気になって、それほどのスピードは出せない。途中から国道299号に入って佐久穂へ、午前10時着。新津養蜂園交流会の待ち合わせ時間は1時半なので、ポタリングしながらチンタラ松原湖駅まで登る。八峰村水田の稲はすでに穂をつけ、先月種をまいたソバは花を咲かせていた。交流会終了後は自転車を八峰村会員でもあるドライブイン松原湖で預かってもらい、車で登って松原湖高原泊。
 ☆この日の小幸せ=排気ガスのかわりに山の新鮮な空気をたっぷり吸えた。254号では、こうはいかない。
 8/15(小海町→上尾市、約160km)
 小海午前10時発。曇りときどき晴れ、前日までより暑い。帰路は南牧村へ抜けるもうひとつの道、田口峠越えを、これまたその場の気分で選択。県道を臼田まで下る。ここから田口峠まで12kmの標識あり。意外と短い。楽勝!? 登り勾配も昨日の大上峠に比べれば雲泥の差。それでも、3枚あるフロントスプロケットのうち内側(最もギア比が低くなる)を頻繁に使わないわけにはいかない。一部歩き。登り標高差400m。
 下りはヘアピンカーブの連続。逆に昨日登っていたらギブアップしたかも。こんな登りでも平気な人がいるんですね。ロードバイクに乗った若者とひとりだけすれちがい挨拶をかわしました。下仁田まで30kmの下りを約1時間。10km登っただけで30kmも下れるなんて、スキーでリフトを使うような感覚に近い。下り標高差880m。
 下仁田からはほぼ平坦な道を惰性で走り続けただけ。山の涼しさとは打って変わった猛暑。けっこうアップダウンのある小川町周辺を避け、花園からは県道を使った。上尾着午後9時。マラソンにたとえるなら42.195kmを4時間以上かけて走る低レベルでしょう。ちなみにツール・ド・フランスなどの自転車ロードレースでは、今回のような山岳コースでも200kmを約5時間で走破します。わたしは平坦地でも40km/hは瞬間的にしか出せません。
 ☆この日の小幸せ=南牧川で女性の生水着姿を見れた。何年ぶりだろうか。
 「アラカン(還暦、棺桶?)無謀のツケがまわった孤独な死」こんな新聞見出しがふと頭をよぎった3日間でした。もうしません。でも物忘れが激しい年寄りですから、どうなることやら。次は神流湖経由299号線を使え。こんな無慈悲な指令もじつは届いております。帰路だけならとにかく、往路はホントに無謀のツケがまわってしまいそう。