養蜂の世界へようこそ! 5

 ロイヤルゼリーはハチを騙してつくる!?
 次代の女王は王台とよばれる釣鐘状の特殊な巣房で育ちます。その餌になるのがロイヤルゼリー。働きバチが花粉などを消化してつくります。通常つくられる王台は数個程度。とても商品化できるような量にはなりません。
 そこで養蜂家たちは考えました。故意に女王を取り除くか隔離してしまったらどうか。女王フェロモンが感知されなくなると、働きバチは雌バチの巣房を変成王台につくりかえる習性がある。こうして新たな女王を育成するわけです。
 現在ではプラスチック製のカップに幼虫を入れて巣内に80個ほど設置するのが一般的。働きバチはこれを王台につくりあげ、内部にロイヤルゼリーを溜め込みます。移虫後数日してから採取。この画期的技術を使っても1回の生産量は20gほど。希少な貴重品です。
 国産ロイヤルゼリーの最近の生産量は年間4tくらいしかありません。その100倍以上がほとんど中国から輸入されています。なお、ニホンミツバチ変成王台をつくるかわりに働きバチが産卵するようになることが多い。