養蜂の世界へようこそ! 4

 ●セイヨウミツバチとニホンミツバチ
 日本で養蜂に用いられるミツバチは2種類あります。セイヨウミツバチとニホンミツバチトウヨウミツバチの亜種)。セイヨウは20万群、ニホンは数万群といったところでしょうか。ニホンのほうは趣味で飼っている人も多く、商売としてはセイヨウが圧倒的です。
 その理由は何といっても採蜜量の違い。ニホンはセイヨウの数分の1程度とされています。もうひとつは逃亡性が少ないこと。ニホンはスズメバチなどに襲われると巣を捨ててどこかへいってしまいます。リスクの違いは商売にとっては大切ですね。
 このほかにも違いがいくつかあります。個体の大きさはセイヨウのほうがひとまわり大きい。一群に属する個体数はセイヨウが数万尾に達するのに対し、ニホンは2万尾くらいまで。性格はニホンのほうがおとなしい。セイヨウの巣箱を開けるときは薫煙器を用いますが、ニホンの場合はほとんど使いません。
 養蜂で使われているセイヨウミツバチは、飼育に適するよう品種改良を重ねた一種の家畜です。最近は市街地でもミツバチが巣をつくるようになってきました。自然状態の巣は、ほとんどがニホンミツバチといっていいと思います。