養蜂の世界へようこそ 3

 ●蜂蜜から日本農業を考える
 最近、食糧自給率のことが話題になりますね。ところで、蜂蜜の自給率はどのくらいだと思いますか。平成18年の統計では6.6%。米以外の穀物と同じように極端に低い数字なっています。ちなみに昭和40年には57.9%でした。
 同じ年度で国内生産量を比較してみると昭和40年=8495トン→平成18年=2814トン。消費量のほうは1万4681トン→4万2791トン。生産量が減っているのに消費量は増えている。そのギャップを輸入で補っているわけです。
 輸入先は約90%が中国。第2位がアルゼンチン。中国の強さは何といっても価格競争力にあります。関税25.5%を含めた1kgあたりの単価が230円(平成21年通関統計)。国産蜂蜜の値段(たとえば新津養蜂園での販売価格)と比較してみてください。ただ、中国産蜂蜜は他の中国産食品と同じように、日本だけでなくアメリカなどでも安全性が何度も問題になりました。このへんの事情は日本農業の縮図といえるかもしれません。
 余談になりますが、輸入単価が突出して高い国があります。1kg約7600円、国産蜂蜜よりはるかに高い。イスラエルです。オーガニックと聖書の逸話を後ろ盾にしたブランド力なのでしょうか。