御射山祭

 8/28、八峰村の畑で作業をしていたとき、聞き覚えのあるラッパの音が聞こえてきました。旗を持った少年たちが、畑とキャンプ場の間の小道を走り抜けていく。思い出しました。昨年も運よく見ることができた御射山(みさやま)祭です。
 御射山祭とは、松原諏方神社の数ある祭礼のひとつ。毎年8月最後の土日に行なわれています。祭りのメイン会場は、八峰村の畑から20分ほど歩いた森のなかの小さな祠がある場所。諏方神社の山宮あるいは御射山神社とでもよべばいいのでしょうか。
 少年たちは松原湖畔にある諏方神社から、一定の間隔をとってひとりずつ山道を登り、御射山まで神様(宮司の乗った車)を先導します。とくに小学校低学年の子供にとって、旗をきれいにたなびかせて走るのは、かなりの難事業でしょう。
 あとで宮司さんに聞いたところ、神様が野遊び(狩り)する行事だとか。旗を持った少年たちは神様のお守り役だそうです。御射山祭は松原諏方神社だけでなく、諏訪大社をはじめ長野県内各地で催されています。
 翌日の祭礼の準備が終わり甘酒をごちそうになっていたとき、思いがけず宴席に招かれました。そこで出た話によると、昔はここで賭場が開かれていたとか。警察の手入れを受けたとき隠したと思われる銭が見つかったこともあるそうです。
 地元の皆さん、ありがとうございました。来年もまたこようと思います。

松原諏方神社の氏子は子供が生まれると旗をつくって奉納する。御射山祭のとき、この旗をもって参加できるのは地元松原地区の男子小中学生(女の子には別の祭礼のとき活躍の場があります)。今年の参加者は10人ほどだったでしょうか。数十人もいた時代もあったそうですが、だいぶ少なくなってしまいました。旗の大きさも昔より小ぶりになったとか。8/29撮影

疲れ気味の子もいるようですね。上級生が激励やアドバイスをするシーンが何度も見られました。8/28撮影
境内で。旗を肩に担ぐのではなく前方に倒してバランスをとりながら走る方法もあるようです。途中、旗の竹竿が折れるハプニングもあったりしました。8/28撮影

宮司を軽トラで御射山までお送りする。昔は耕運機、さらに前は馬が使われていたそうです。8/29撮影(周囲にいくつかある祠巡りをしたとき)

青萱で覆った仮屋。ふたつの仮屋が向かい合って配置されている。8/28撮影


宮司祝詞をあげたあと、氏子に御祓いをしています。このあと、イチイの木の小枝を神前に供えていました。祭りというと神輿や山車を思い出しますが、こうした神事が本来の祭りなんでしょうね。8/29撮影


少年たちが泊まる建物とその内部。一種の若衆宿といってもいいんでしょうか。違う年齢層の子供たちが付き合うことのできる貴重な機会になっているようです。布団や食事は家族が各自運び込んでいました。少年たち以外にも宮司と氏子の代表が泊まります。8/28撮影

御射山神社境内にそびえる大木「星見の松」。樹齢は300年とも500年とも。この松を見上げると昼間でも星が見えることもあるとか。松原湖高原別荘地の住所は「星見ヶ丘」ですが、この松に由来していたんですね。このほかにも周囲にはたくさんの大木が生えています。散策してみるのも楽しいですよ。8/28撮影