ソバを食らう―気分は古代人

 仲間内で開催予定の、古代人気分を味わうオール手作業ソバ食い会に向けて準備を進めております。手探り、暗中模索、試行錯誤。知識ゼロからの見切り発車でした。なかでも殻剥きには苦心惨憺。
 穀物。ヒトには欠かせない食材ですね。野生のイネ科植物を雑食動物であるヒトが食べ始めたのはいつごろからなのか。稲や麦の実は硬い殻で覆われている。殻を剥かなければ食べられない。八峰村で落花生を食い荒らした動物も殻は食べ残していました。落花生ほどの大きさがあればとにかく、小さな稲や麦の殻を手作業で大量に剥くのは気の遠くなるような話です。この点はソバも同様でした。
 ことわっておきますが、今回の作業で使った玄ソバは合計200gほど。仲間から「お前ひとりで食いすぎ」と文句いわれるのが怖くて、ごく少量にとどめました。いま部屋のなかはソバまみれのまま。たぶん掃除は後回しにして明日26日夜、八峰村畑じまいに出るため小海に行きます。合間に石臼でソバの試し挽きをしてみる予定。
ゴミを取り除いた玄ソバ。収穫からここまでくるのに、乾燥、唐箕のかわりに扇風機を使ったゴミ取り、それでも泥まみれであることに気づいて水洗い、再乾燥、暇を見つけての小石取り。もともと5kgくらいあったのが、この時点で3kgくらいまで目減りしてしまいました。たった一粒のソバでもいとおしい。飛び散ったソバの実を繰り返し拾い集めたほどです。



蒸したソバの実を乾燥させたあと殻を剥いたソバ米。玄ソバを蒸すと殻が割れて取りやすくなります。ソバ粥を食べてみたくて作りはじめましたが未完成。手揉もみ作業中、指に豆ができて作業一時中断しました。いつ食えるんだろう。殻を取ったソバを丸抜きというそうですね。通常は剥きとり機(原理は石臼の隙間を空けてこすりとる)を使うとか。



ソバ粉。金属製のザルに玄ソバを入れ、擂粉木で挽いてつくりました。苦肉の策です。ザルの目が粗かったので、できた粉も超粗挽き。最後は擂り鉢で細かくしました。当然、殻も混じった正統派田舎ソバ用です。できた粉はソバがきにして食べました。舌にざらついたのは、砕ききれなかったためでしょう。試食途中、試しに豆乳とチーズを練りこんでみたら、けっこういけましたよ。ソバがきって、アレンジの幅は広いような気がします。


ソバ殻。まだ粉の部分が少し残っています。重さはとにかく、カサは粉や丸抜きより多い。といって枕ひとつつくるのには、いったい何キロのソバが必要になるのか。堆肥の材料として活躍してもらうかな。