四方に広がる夢

 10/15の記事「小海のソバが伊豆に」におふたりの方からコメントをいただきました。いずれも河津にある「ばあちゃん農場」関係者の方です。そのコメントのなかに、ばあちゃん農場でも栽培されている小麦「ユメシホウ」を八峰村でも栽培してみてはどうか、種は提供する旨のお申し出がありました。
 ユメシホウは数年前に品種登録された硬質小麦(強力粉、製パン用)です。関東の平野部でも栽培できる品種として茨城県で開発され、夢が四方に広がるという意味を込めて「ユメシホウ」と名づけられたとか。地元つくば市周辺では、地産地消運動の一環として、ユメシホウを使った「パンの街づくり」が進められています。
 河津のばあちゃん農場でも、このユメシホウを無農薬栽培して天然酵母パンなどを製造販売にのりだしました。八峰村に提供のお申し出があったのは、この自家取りの種だと思います。八峰村の渡辺村長には、このお申し出をさっそく伝え、検討をお願いしました。
 ばあちゃん農場の標高は約400m。八峰村のある小海の農地は標高800〜1200m。温暖地用のユメシホウが栽培できるのかどうか。できるとしたら播種時期はいつがいいのか(平野部とは異なるはず)。農地が確保できるか。人手があるかどうか……。クリアしなければならない問題はいくつもあります。でも、小海のソバが河津で芽を出し育っているように、河津の小麦が小海でも芽を出すのではないか。期待してます。
 一般的に日本では米の裏作として小麦がつくられてきました。秋蒔き、春の収穫です。小海でも同じ方法がとれるのかどうか。まずは調べてみなければなりませんね。そのうえで個人的には八峰村の畑(標高約1200m)で試験栽培してみたい。四方に広がる夢の片隅に一歩でも足を踏み入れたいと思っています。