オヤマボクチとハバヤマボクチ

 
 八峰村の畑に植わっているオヤマボクチは2種類ありそう、と以前書きました。葉の形が違います。一方はなだらかなハート型、他方は鋸葉の深い三角形。飯舘村の凍み餅で使うのはハート型のほうだと現地の方は言ってたように思います。
 じつは最近、オヤマボクチと似た植物にハバヤマボクチがあることを知りました。漢字で書くと葉場山火口。ススキなどの草刈り場に生えるので、この名がついたのだとか。図鑑などを見ると生息域は福島県以南。オヤマボクチは四国と近畿以北とされていますから、本州中央部では両者が重なっていることになります。
 もしかしたら、八峰村に植えたオヤマボクチとされる植物の一方は、このハバヤマボクチなのかもしれません。小海町内に自生していたほうです。
 学術的区分はとにかく、たぶん2種類ともゴンボッパとしてくくられるのでしょう。問題はハバヤマボクチかもしれない植物が凍み餅に使えるのかどうか。しかも、今年種が採取できるのは小海自生株のほうだけ。まんがいち使えないとすれば、来年以降の凍み餅づくりにも影響してくる。
 現在八峰村で乾燥保存中のゴンボッパの大半は山形県で採取したものです。この山形産と飯山から移植したものはオヤマボクチでほぼ間違いない。この2つに、小海に自生していた株から摘み取った葉も混じっている。乾燥状態では、小海産だけを選り分けるのはむずかしそう。
 小海産も他と一緒に凍み餅に使えるのなら問題はないのですが。