地菜の正体?

 前回、八峰村の畑に行ったとき、地元農家のおばあちゃんから「地菜」をいただきました。野沢菜そっくりの葉っぱ。花穂は「アスパラ菜」という名称で直売所などに出荷するとか。でも、地菜って何なんだろう。正体不明のまま2ヶ月近くが過ぎようとしています。
 単純に考えれば地元産の菜っ葉。この場合は地粉と同じ意味の「地」です。レストランなどでは、地元産野菜をこう呼んでいるケースも数多くみられるようですね。まあ一般的には漬物用伝統葉物野菜のことをさしているといっていいでしょう。つまり、地域ごとに地菜があることになる。
 すると、あのおばあちゃんが言っていた地菜とは? アスパラ菜は某大手種苗会社が販売する商品名(アブラナ科の交配種)。スーパーなどでも、この名称で売られているようです。茎がアスパラガスの味に似ている菜の花の一種ですね。おばあちゃんの言っていた地菜はアスパラ菜そのものなのか。それとも違う品種だけど、アスパラ菜が一般名化しているので、その名前で出荷しているのか。わたしが知らないだけなのですが謎は深まるばかりです。
 いろいろ調べてみました。長野県では野沢菜が地菜と呼ばれることもあるらしい。隣りの山梨県では長禅寺菜や鳴沢菜が地菜と呼ばれているらしい(山梨県の特産指定を受けている「地菜炒め」は、なぜか野沢菜を使うとか、なんか奇妙)。とりあえず地菜という言葉は、甲信越地域で使われることが多いみたいですね。
 あのとき、おばあちゃんは言ってました。「こんど地菜の種をあげる」。アスパラ菜なら、あるいは野沢菜でも、ホームセンターなどに行けば、すぐに種は手に入ります。だとすれば、おばあちゃんがわざわざそんなこと言う必要はない。そう考えると、自家採種している品種ではないか。長禅寺菜や鳴沢菜、ほかにも稲核菜(イネコキナ=中信地域)や羽広菜(ハビロナ)である可能性も捨てきれない。
 推理しているだけで、けっきょくは、よくわからないまま。どなたか詳しい方、ご教授願えませんでしょうか。
 それはとにかく、今年八峰村の畑で野沢菜を作れなかったのが悔やまれます。前半はいいペースで小海に行っていたのに、稲刈り以降は2ヶ月近いご無沙汰。来週末に予定されているらしい畑じまいにも行けそうにありません。