有機農家見学会

 7/25(土)、八峰村有機講習会の一環として、農場見学会が開かれました。訪問させていただいたのは、小海ゆうきちゃん倶楽部のメンバー的埜さん(会長)と板尾さんのところ。オーナー参加者は、わたしを含めて4名。他の倶楽部メンバーも数名同席してくださいました。30度を超える、小海としてはやたら暑いさなか、皆さんお疲れ様でした。
 ゆうきちゃん倶楽部は小海周辺の有機栽培農家が集まったグループ。20代から高齢の方まで、キャリアを積んだ方から新規就農の方まで、互いに交流しながら栽培技術研鑽と販路拡大をめざしています。例年10月半ばころまでは、国道141号線沿いの「高原のパン屋さん」敷地内で直売所を開いていますので、ぜひ立ち寄ってみてください。新鮮で美味しい、なかには珍しい野菜も手に入りますよ。見学会の翌日に店を訪ねたときは、生食用カボチャの浅漬けを試食させていただきました。


 的埜さんとその農場全景。場所は小海町宿戸地区、八峰の湯とは千曲川を隔てた対岸にある集落です。面積は約5反(50a)。高原野菜の農場を除けば、このあたりではかなり広い畑でしょう。多品種少量生産。訪問時には20種近く作付けされていました。このほかに自家用水田が3反、畑2反ほどの農地があるそうです。

 千曲川対岸の八ヶ岳が一望できるロケーション。八峰の湯あたりでは山頂部のわずかしか見られない赤岳も、ここでは中腹部まで望むことができます。写真中央部は八千穂のスキー場。その下は小海の千代里牧場。すいません、写真には赤岳が写っていませんね。山の斜面一段下、同じくらいの面積の畑が、耕作されないまま草茫々になっていました(写真右)。

 栽培作物はトウモロコシ、甘南蛮(トウガラシの一種)、ヒマワリ(種を食用にする)、トマト、ナス、モロッコインゲン、キャベツ、レタス類、空芯菜、カボチャなど。残念ながらキャベツはかなりの虫食い状態。何とか星テントウムシやら、何とかカメムシやらアブラムシは事前に手作業で駆除したので大きな被害は受けずにすんでいるとか。
 トウモロコシの栽培区画に張り巡らされた電柵。高さ数十センチほど。ハクビシンやイタチなど小動物対策用です。電源は乾電池。鹿や猪は山林との境にフェンスが設置されているため、それほどは侵入してこないとか。地面にマルチが貼ってあるのは、雑草繁茂による漏電を防ぐため。写真右は、畑地内に残った、たぶんキツネの足跡。
板尾さんご夫妻。ゆうきちゃん倶楽部直売所で撮らせていただきました。手に持っているのは白トマト。本来は中身まで白色だそうですが、当日見たのは、ちょっと黄色みがかっていました。比較的淡泊なやさしい味の大玉トマトです。こうしたトマトは直売所だけでなく、レストランなどにも納めています。トマトやレタスを具にしたイタリアン風お焼きづくりも計画中だとか。











 板尾さんが営農中のハウス(南相木村日向地区)。八峰村の資材置き場のようなスティールパイプ製ではなく、頑丈な鉄骨で組まれていました。面積も何百坪か。20年ほど前に建てられたものを板尾さんが譲り受けて使っているとききました。屋根の開閉も電動でできたそうですが、今は故障したままになっていました。ハウスでの作物はトマト主体。そこでは見たこともない品種が何種類も栽培されていました。ゼブラ模様(右写真)、ナスのように長いもの、前述した白色などなど。大きさもミニから特大まで。トマトの上にはブドウの木が1本、蔦を巡らせていました。

 左写真は板尾さんの畑のひとつ。このあたりは山と畑の境にフェンスがないため、野生動物に直撃を受け、自前でネットを張ってもさほどの効果なし。この畑で作っていたジャガイモは、イノシシに食われて全滅しました。高さ1.5mくらいのネットなら、イノシシは飛び越えるらしいですよ。
 右写真は板尾さんのハウス近くに設置されたソーラー発電施設。以前は南向きのは畑だったところです。遊休農地活用のひとつなのでしょう。中山間地には、全国でかなりの数設置されるようになってきました。でも、せっかくの農地がこうしてつぶされていく。他の設置場所を考えてもいいのではないか。そんな考えがふと頭をよぎりました。地元でも賛否両論あるみたい。