湧水の里、五箇

 八峰村で植え付け作業が終わったあと、小海町の五箇という集落を訪ねてみました。小海駅からバスで30分ほど、町内では最も山奥にある集落です。わたしは自転車で行きました。八峰の湯から分岐する道に入ってしばらくすると、あたりは一面の白菜畑。そこを抜けて左側の沢にくだり、再び登っていく。自転車ではかなりきついアップダウンの繰り返しになります。距離にして5kmほどでしょうか。
 集落の入り口には「五箇、標高1115メートル」という標識がありました。八峰の湯より少し低い程度ですね。小海の市街から登っていくと標高差400mくらいになると思います。同じ場所にバス停もありました。時刻表を見ると1日4本。おもに通学用でしょう。
 現在の戸数は10数軒。以前は北牧小学校の分校が冬の間だけ開かれていたとか。現在はボーイスカウトの研修宿泊施設となっている建物が、たぶんそうだと思います。通常の民家と変わらない面積の敷地でした。
 知る人ぞ知る五箇の湧水は、諏訪神社の境内にあります。思わず手ですくって飲んでしまいました。おいしかった〜! 山登りでほてった体にしみわたっていきました。
 周囲は植生が豊かな地域としても知られています。といっても、わたしにはさっぱりわかりません。余談になりますが、田舎暮らしの人は驚くほど植物の名前を知っていますね。それだけ植物が生活とつながっているからだと思います。
 きれいな水と多彩な植物群。五箇は心が洗われるような場所ですね。(八木)
 社の裏手にある湧水。水道の水源としても利用されている。

 湧水場所の下流には水面を覆い尽くすようにワサビが生えている。ワサビも御神体のひとつなのかもしれません。

 一部にはクレソンも。

 清流のせせらぎが集落のどこでも心地よい響きを奏でている。アジサイに似た白い花を咲かせた植物はなんというのでしょうか。

 こちらは八峰の湯周辺に広がる白菜畑。ここからも八ヶ岳が見渡せる。