新津養蜂園の現場から

 8/14(土)、予定どおり新津養蜂園交流見学会が実施されました。当日の参加者は10数名。なかには趣味でミツバチを飼いはじめた方もいらっしゃいましたが、ほとんどの方は養蜂現場初体験。新津さんのお宅に集合したあと、さっそく林道を車で10分ほど登って巣箱置き場へ。季節によっては隣の群馬県側に巣箱を移動させるそうですが、この場所がいわば新津養蜂園の本拠地ということになります。
 天候は曇り。雨の心配もありました(午前中はパラついていた)。ミツバチは雨を嫌います。雨中での蜜の採取はしません。現に巣箱の周りを飛び交うハチの数は少なめだったようです。それでも、慣れないと怖い。体にまとわりつかれると思わず払いのけてしまう(厳禁!)。
「ミツバチに仕事させて楽でいいなあ、とよくいわれますね。でも、巣の管理はけっこう大変です。放っておけば分蜂(巣分かれ)してハチがいなくなってしまう。とくに女王蜂の様子には常に注意が必要ですね。巣箱のまわりにハーブを栽培したりしているんですが、とてもそこまで手がまわらないような状況です」(新津さん)
 今回の訪問をきっかけに、自分でハチを飼う方が出てくるかもしれません。そこまでいかなくても、食や農業(畜産)のあり方を考える手がかりにしていきたいと思っています。
 ●新津養蜂園
 〒384−1102 長野県南佐久郡小海町小海8000(親沢)
 TEL & FAX 0267−92−3437
 Eメール hachi6@topaz.plala.or.jp
巣箱置き場の周囲に色とりどりの花が。白はソバ、黄色はゴールデンハニープラント。いずれも蜜源です。写真右は巣箱下部の出入り口に群がるミツバチ。
 
薫煙器を使ってハチをおとなしくさせる。新聞紙でもかまわないが、通常は松の葉などを燃やす。写真右は巣板に群がるミツバチ。蜜を採取するときは巣箱を2つまたは3つ縦に重ね、各巣箱の間に働きバチだけが出入りできる仕切りを設ける。一番下の巣箱で生活する女王蜂は大きいので上の箱には行けない。こうすることで上の巣箱は卵や幼虫のいない蜜の貯蔵庫となり、蜜がとりだしやすくなる。いずれも作業しているのは新津さん。
蜂蜜をしぼる遠心分離機を囲んで新津さんの説明に耳をかたむける参加者の皆さん。この分離機の内側に残った蜜を洗い流した湯で蜂蜜風呂を楽しむこともあるとか。生産者ならではのぜいたくですね。ひとしきりこの話題で盛り上がりました。今回しぼった蜂蜜は、お宅に戻ってから濾過したものをお土産にいただきました。新津さんに感謝感謝です。
 
遠心分離機の内部。バッテリーの電気を使って回転させる。写真右は蜜を取り出しているところ。新津養蜂園3代目にあたる息子さんがお手伝いしてくれました。養蜂が続けられる環境はずっと守っていきたいですね。
新津さん宅の軒下に飾られたスズメバチの巣。芸術的な模様ですね。ミツバチの天敵であるスズメバチとは意外な感じもしますが、魔除けだそうです。