こうみざかり仕込み体験


 1/24(月)、八千穂黒澤酒造にて午前9時より、こうみざかりの仕込みが行なわれました。八峰村関係の参加者は10数名。昨年の仕込みに参加された方もいたようですが、多くは初めての体験だったと思います。
 酒造りに雑菌は大敵。蔵のなかに素人が入るのは大きなリスクになるにもかかわらず、体験を許してくださった黒澤酒造さんに感謝感謝です。作業場に入る前に白衣とヘアネットを着用。石鹸で手を洗ったあとアルコール消毒、履物も専用のものに履き替えました。
 じつは当日納豆を食べた人は入場禁止だそうです。事前には知りませんでした。たまたま食べてなかったからよかったものの、貴重な機会をフイにする可能性もあったわけです。ほっ!
 日本酒は、米のデンプンを麹で糖に変え、それを酵母でアルコールに変化させて造られます。今回体験した仕込みは、麹と酵母、水に蒸した米を混ぜる工程といっていいでしょうか。3回に分けて蒸し米を投入する3段仕込みの3回目「留」とよばれる作業だったと思います。
 作業が終わったあと、蔵のなかを巡りながら酒造りの工程を説明していただきました。汲み上げた地下水を貯蔵するタンク、麹造りの部屋、ずらりと並んだ醸造用の巨大なタンク、もろみから酒粕を取り除く搾り機、回収した酒ビンの洗浄装置などなど。
 醸造用タンクの容量はひとつ10t弱。こうみざかりには、こんな巨大タンクは使われません。井筒長などの主力商品用なんでしょうね。
甑(こしき)で1時間ほどかけて米を蒸す。つまみ食いしてみたら、おこわより硬かった! 今回「こうみざかり」用に使った「ひとごこち」は400kg(玄米時だと700kg弱)、仕込み水の量はその130%だそうです。
これが放冷機(冷却機)。熱いままだと麹が死んでしまったりするので適温まで下げる。機械を使わずに手でほぐしながら冷ますこともあるそうです。
酒母のなかに投入した蒸し米を攪拌する櫂入れ。櫂の突きすぎは禁物だそうです。米をつぶしてしまうと発酵に悪影響を与えるんでしょうね。慣れないと、うまく混ざらない。かなりの重労働でした。







左は前日に仕込みを終えた八千穂美醸会のタンク。表面がぶくぶくと泡だって活発に発酵しています。右は仕込み直後の「こうみざかり」。


八千穂美醸会の醸造タンクに貼られた仕様書。酒米ひとごこちの産地こそ小海と八千穂という違いはありますが、スペックは「こうみざかり」とほぼ同じだそうです。長野酵母Dは高い吟醸香が特色。精米歩合59%ということは吟醸酒、しかも純米酒ということになりますね。ちなみに削り取った米粒の表層部分は、酒粕とともに焼酎の醸造に使われるとか。






 仕込みを終えた「こうみざかり」は約4週間後に上槽(搾り)の工程に進みます。もしかしたら搾り体験もできるかも。もろみや搾ったまんまの酒が飲めるのは、この日だけでしょう。そして待望の新酒が味わえるのは3月中旬ごろかな。