酒饅頭づくり

 先日お盆で帰省したおり、家族で酒饅頭をつくりました。昨年亡くなった母親が得意にしていたメニューです。残された家族に母親ほどの技術はなし。それでも、あの味は伝えていきたい。今回の新盆は、格好の機会となりました(事前の予行演習では団子になって見事失敗したらしい)。
 酒饅頭って、まさにスローフードですね。できあがりまでに3〜4日かかる。まずは冷ご飯と麹で液づくり。今の時期なら発酵2日間ほどでしょうか。あずき餡も事前に炊いておく。当日は小麦粉(薄力粉)をこねて一次発酵。ちなみに我が家では、液内の米粒も一緒に練りこみます。わたしがやったのは、そのあとの餡を生地でくるむ作業だけでしたが。
 二次発酵のあと、ようやく蒸かし。蒸し器の容量の関係で2回に分けて合計50〜60個ほどつくったでしょうか。ふっくらとした、まずまずのものができあがったと思います。3分の1ほどは餡が飛び出していましたが、ご愛嬌といったところ。味に変わりがあるじゃなし。でも、お盆で家に戻っていた母親は「やっぱり私じゃなくちゃダメね!」
 酒饅頭のよさは、なんといっても香りです。ベーキングパウダーやイーストだと、あの香りはでません。つくった饅頭は、できのいいものを選んで、家に来てくれた親戚や近所の方にもお裾分け。母親を偲ぶ何よりの媒介役をつとめてくれました。