御射山(みさやま)祭のこと

 雪散るや穂屋のすすきの刈り残し
 松尾芭蕉の句だそうです。松原諏方神社そばの神光寺跡地に句碑が立っているとか。まだ見たことはありません。今度たしかめてこようと思います。句のなかの「穂屋」は、数ある諏方神社の祭礼のひとつ「御射山祭」の仮宮のこと。木組みに植物のすすきをあしらって設営されるので、このように表現されたのでしょう。
 その御射山祭が今週末25(土)〜26(日)におこなわれます。幟を掲げた少年たちが諏方神社から神様の先導役をつとめ山中の宮=御射山に一泊する。これまで2回、部分的にではありますが興味深く見学させていただきました。
 
 すいません、再掲載写真です。いずれも2年前8月の御射山祭のときのもの。左は幟を掲げて御射山に到着した少年たち、右は御射山祭のときに設けられる仮宮(石造の山宮は常設)。
 最近この松原の御射山祭についての調査報告書をネット上で拝見しました(神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科「松原の民俗」第5章「同族の祭りとしての松原諏方神社御射山祭り」)。御射山祭は長野県内各地でおこなわれています。そんななかで、少年たちが祭りの中心的役割りを務めるのは他では見られない特色なのだとか。
 読んでいて印象に残ったことが2つありました。いずれも祭りを傍から見ていただけではわからない部分です。ひとつは、祭りのとき各家庭で萱(かや)の箸でうどんを食べること。この風習は現在でも引き継がれているようです。きっと健康祈願なんでしょうね。もうひとつは神社の神職を畠山家と鷹野家が交代で務めてきたこと(現在は鷹野家のみ)。この2つの姓は松原地区ではおなじみです。隣接する八那池地区も含めて、わたしが直接お会いしたことがある方は、ほとんど畠山あるいは鷹野さんでした。
 今週末も小海に行きます。でも別用が入っているので御射山祭を見られるかどうか微妙なところ。