ひとごこち削りかす

 「こうみざかり」の醸造元黒澤酒造のブログに、精米削りかすに関する記事が載っていました。
 それによると、黒澤さんの精米機は4段階に切り替えられるそうです。米粒の外側から赤糠、白、上、特上。赤糠は主に肥料として近郊農家に。上・特上(精米歩合39〜65%の部位)は自社の焼酎の原料に。上と白は米菓等の原料として引き取られていくとか。前回の記事で書いた八峰村産凍み餅用削りかすは、たぶん白と上の部分なのでしょう。
 黒澤さんのブログでは、米粉の利用が盛んになってきているので何か活用できないか、とも書かれていました。ただ、全粒粉ではなく挽き方も違うので、むずかしい、とも。米粉の流行と削りかすの活用を結びつける発想。関係者なら誰もが一度は考えるものなんでしょうね。わたしもそのひとりなんですが。
 米粉の流行とは無関係ですが、今シーズンの八峰村産凍み餅は削りかすの新たな活用法です。目に見える米粒のかけらが残っているので、篩(ふるい)にかけることも検討中、という話は以前しました(予定どおりなら昨日までの3日間行なわれたはずの凍み餅づくりでは、すでにそうしているかも)。
 もしかしたら挽き方自体に改善の余地があるかもしれません。そば粉の場合は小麦粉の使用割合によって粉粒子の細かさを変えるそうですね。田舎そばは皮ごと挽くし、10割そばではより細かくするという話をどこかで聞いた覚えがあります。米粉上新粉より細かく挽くことによって米パンなど用途が広がりました。パスタ用デュラム小麦のセモリナは、たしか粉の粗さを示した言葉だったような(うろ覚えなので間違っていたらごめんなさい)。
 挽き方って、けっこう重要みたいですね。削りかすを使っている米菓屋さんは、仕入れたものをそのまま使っているのでしょうか。それとも挽き直したりしているのか。きっと米粉の加工品ごとに最適な挽き方があるのだと思います。凍み餅の場合はこう、米粉おやきの場合はこう、といった具合に。
 米の加工品では輸入米がけっこう使われているようですね。輸入米は低価格なので需用がある。でも、国産米だって余り気味です。いわゆる米粉ブームは、国産米の需用拡大を狙った政策の一環として仕組まれました。その経緯はとにかく、どうせなら国産米を食べたい。そのささやかな一部ではありますが、身近なところで、ひとごこち削りかすの活用法、凍み餅以外にも考えていきたいと思います。