散惨XCスキー初体験

 ぼくの前に道はない、ぼくの後に道はできる。詳しくは覚えていませんが、昔の教科書には、こんな詩がのっていたような気もします。野心というか自信というか。自分こそが時代を切り開くのだ、みたいな。
 ところで先週末に小海で初体験したしたXCスキー。たしかに、ぼくの歩いた後に道はできました。新雪をかきわけましたからね。でもそれだけの話。詩の精神とは正反対に、野心も自信も粉雪にのように舞い散ってしまいました。悪戦苦闘。転倒数知れず。人様には見せられない恥ずかしさです。


 2/17朝、松原湖畔の「レンタルスキーたかの」で用具一式(1日2000円)を借りたあと、友人の車で送ってもらい国道299号との合流地点へ。車で来られるのはここまでです。すぐそばの「ふるさとの森レストハウス」(冬季営業停止中)からは、雪をかぶった浅間山の絶景がくっきりと見えました。
 まずはゲートを突破して麦草峠方面へ。行けるところまで登ってみようというのが今回の目論見です。積雪約50cm。人やスノーモービルの通った跡はまったくありません。まさにバージンスノー。気分はいいのですが、スキーで雪かきをしてるようなもんです。あっという間に息があがってしまいました。わずか数百メートル進んだだけで「こりゃダメだ!」。栄光(?)の退却を決断しました。
 あとは八峰の湯まで、ひたすら下るのみ(一部登りあり)。とはいえ初めてのXCスキーでは下りのほうが難関となりました。車道はアイスバーン状態で、エッジの付いていないスキー板のコントロール不能。転倒して、しこたまケツを打撲する始末。仕方なく除雪を積み上げた道路脇をラッセルもどきしながら歩きました。
 途中からリエックスのスキーゲレンデに無断侵入。1回目の侵入のときに出たゲレンデは20度くらいの斜面で、アルペンスキーなら問題なく降りられる。でもXCスキーでは足がすくみました。怖い! 無理! あきらめてもときた道に戻りました。
 少し下って2回目の侵入では、板をはずして林のなかを腰まで埋もれながら緩斜面のゲレンデへ。そこからどうにか下まで降りることができました。なにしろボーゲンさえできない(XCスキーではボーゲンなんて技術はない?)、しかも止まれない。散惨。
 アルペンスキーとXCスキーはまったく別物、というのが今回の印象です。とくにエッジ有無に決定的な影響があるような。エッジなしのスキー板を乗りこなすのは、自分にはむずかしいような気さえしています。エッジに頼らなければ滑れない。それだけスキーに乗れていないということにもなりますね。ショック! 10数年というブランクのせいだけにはしきれなさそうなのが悲しいところです。
 そういえば、リエックスでテレマーク・スタイルで滑っている人を初めてみました。かっこよかった! たしかテレマーク・スキーはゲレンデでもバックカントリーでも使える万能タイプという話をどこかで聞いた覚えがあります。ちょっと調べてみよう。
 この記事を書いている今でも、筋肉痛と打撲痛がまだ残っています。