飯舘の「おこし酒」


 この1升ビン、ラベルを見てもわかるように「おこし酒」という日本酒です。福島県飯舘村のブランドのひとつ。昭和60年代から造られてきました。「おこし」には「村おこし」と「飯舘におこしください」とのふたつの意味が込められているそうです。
 この「おこし酒」、福島第一原発による被災で製造中断のやむなきに。被災翌年には酒米農家の方が避難先の喜多方で栽培復活。なんと品種は長野ブランドでもある美山錦(こうみざかりの酒米「ひとごこち」の親にあたる)だとか。因縁めいてませんか。当初、おこし酒用の酒米は別品種だったような。それがなぜ美山錦に変わったのか。その辺の理由、知りたいものです(そのうち調べてみますが)。酒のほうも喜多方の酒蔵「大和川酒造店」によって復活しました。
 今回の小海滞在時に「おこし酒」飲ませていただく機会に恵まれました。飯舘の皆さんが凍み餅づくりで小海にいらしたときの差し入れ品です。本醸造(添加物は醸造用アルコールのみ)、精米歩合60%。吟醸酒っぽくて淡麗。「こうみざかり」とは趣の違うおいしさです。生産量を度外視しても、1升2000円以上とってもおかしくない格が感じられました。がぶ飲みするにはさすがにもったいなく、途中で佐久の地酒「寒竹」紙パックにきりかえました。
 ※「おこし酒」の販売元は飯舘村酒販店会(ネット検索すると加盟酒販店一覧が出てくる)。本醸造以外にも純米大吟醸や濁り酒もあるようです。手に入れたい場合は大和川酒造店に問い合わせてみるのが手っ取り早そう。