ロケットストーブ試運転異聞

 各地で真夏日報道がちらほらきかれる今日このごろ。季節外れのストーブの話で恐縮です。といっても、小海の夜はまだ寒い。前回訪問時5月中旬の最低気温は5度くらい。宿泊先ではしっかりストーブも焚きました。焚かなくてもどうにか凌げたのですが、新装なったロケットストーブの温もりが味わいたくて。
 ロケットストーブについては以前3月ころの記事を参照してください。このストーブ、今年4月に本体設置。わたしにとっては設置後初見聞となります。
 設置部屋は間取り中央部にあるダイニングキッチン。煙突(オーナーが自作工事)は隣室リビングの床上20〜30cmを貫通している。横長6mほど。煙突を横に長く引っ張れるところがロケットストーブの特長でもあります。いわば煙突自体が暖房装置になっているわけですね。これまで温まるまで時間がかかったリビングを早く暖めるのが目論見のひとつでもありました。
 まずビックリしたのは、ダイニングキッチンがストーブルームと化していたこと。設置部分の床面積だけで、普通の薪ストーブの3〜4倍はあるでしょうか。なかでもヒートライザーの占める割合がでかい。なにしろドラム缶1個分ですから。レンジ下で煙突を貫通させたため、中に置いてあった鍋類などは外の棚に移動。そのぶん冷蔵庫の置き場所はレンジから遠くに。ストーブの煙突をまたぐか遠回りしなければ、冷蔵庫までたどりつけません。この山小屋ではたぶん最も調理頻度の高いわたしにとっては、ちょっとめんどくさいレイアウトになってしまいました。
 薪を燃やし始めると、燃焼釜から煙が漏れ出してくる。ヒートライザーが暖まるまでは吸い込みにくいらしく、まあこのへんは普通の薪ストーブでも同じようなものですね。しばらくすると、さらに煙が漏れ出し、部屋中に蔓延。湿った薪を燃やしても、ここまで煙は出ません。漏れるというより噴出。強風のため煙突の屋外噴き出し口から風が逆流したようです。北風が多い冬用に噴き出し口を南向きにしておいた影響をもろに受けたのかも。たまりかねて窓を開け放ち換気扇フル稼働。噴き出し口の向きを変えると、燃焼窯からの煙はどうにか止まりました。あとはもう1、2度同じような状態になったものの、おおむね良好。ぬくぬく快適な夜をすごしました。
 これまでも何回か試運転したそうですが、やはり燻製部屋状態になったことがあったとか。このままだと実用性に問題あり。煙突設置方法だけで問題が解決すればいいのですが。いずれにしても、ロケットストーブの製作者や他の導入例の話をきいて改善する必要がありそうです。
 ただし、これから季節は真夏。試運転とはいえ、さすがにストーブ焚くのはつらい。秋までは冬眠ならぬ夏眠してもらうしかないかも。