そろそろ冬のよそおい

 今回小海を訪ねた9月下旬。松原湖周辺はすでに紅葉がちらほら。本格化するのはこれからです。明け方は気温が7〜8度まで下がりましたが、電気炬燵だけでぬくぬく、ストーブは使わずに過ごせました。


 黒ホウヅキの紫花とキクイモの黄花。黒ホウヅキのほうは昨年、花が気に入って植えた苗のこぼれ種から育ちました。周囲のオレンジ色の花も、栽培種のこぼれ種由来のはず。キクイモのほうは何年か前に植えた種芋がはびこりつづけています。目についた根を切り刻んだ程度では繁殖拡大を止めることができません。その生命力にはあやかりたいほどです。栽培しようと思ったものはうまくいかず、ほったらかしたものが元気に育つ。皮肉というか自然の妙というか。


 左写真はキキョウの一種。自生種(貴重品らしい)ではなく、宿泊先敷地内に主人が植えたものです。花より団子派の自分ではありますが、好きな花のひとつですね。情けないことに、リンドウと区別できなったりしますが。あっそうそう、八峰農園では赤トンボが飛んでました。 
 これもまた秋のひとこま。稔りといえば稔りです。たしかマムシグサといったか。薄緑色の花が、マムシが鎌首をもちあげているようにみえるところから名づけられたらしい。
 宿泊先敷地内に自生していました。小海周辺の山林ではよく見かけます。植物名にマインドコントロールされているせいか、深紅のきれいな実が不気味で毒々しくさえ感じられてしまいます。実も鎌首のかたちを引き継いでいますね。この実、野鳥とかが食べて新天地に種をまいてくれたりするんだろうか。



 八峰農園周辺の高原野菜畑はすでに終盤。いま植わっている白菜も、たぶん今シーズン最後の収穫となるでしょう。高原野菜は、カラマツの葉が落ちる前までが出荷シーズンだそうです。落ち葉を取り除く手間を厭わなければ、出荷終了後のほうがおいしい。そんな話も地元の方から聞いたことがあります。
 かわって平野部暖地では、これからが冬野菜の生育期になります。ちなみに埼玉あたりの白菜は、植え付けが9月ころ。まだ葉の数が数えられるような段階です。
 夏場以降、白菜も含めて野菜の高値がつづいていましたね。生産者の方、すこしはうるおったんでしょうか。だといいのですが。
 今回の小海訪問中、宿泊先の主人はロケットストーブ用の薪づくりに精をだしておりました。大半はカラマツやシラカバなど、敷地内の樹木を切り倒したもの。薪として良質とはいえませんが自活自活です。いつも無料宿泊させていただいてる居候の身としては、せめて薪割りくらい手伝わないと。出入り禁止を食らわないためにも。
 というより、振り下ろした斧でスコーンと薪が割れる快感。小海にきたときしか味わえない楽しみのひとつでもあります。ガキのころとった杵柄が多少は生きているのか、都会人としてはそこそこ薪割り上手(自負できるほどじゃありません)。