いよいよ今週末「ふたご座流星群と闇を浴びるツアー」

 さしせまってきました「ふたご座流星群と闇を浴びるツアー」。いよいよ今週末です。天気予報では雨の心配なさそう。闇と流れ星を存分に浴びる条件は整いました(期待も込めて)。
 そんなわけで今回はツアーPRのトリ記事となります。中野純著「闇学入門」の編集担当者で、ツアーにもお子さん連れで参加予定のnozomiさんに原稿をお願いしました。以下その全文です。

「やみくも」という言葉、最近使った方はどれだけいらっしゃいますか?
「やみくも」を漢字でかくと「闇雲」。そう、まさに雲の中をわけもわからず進むようなそんなイメージです。目の前のものをつかもうと思ってもつかめない、そんなもどかしさも、この表記から感じられます。
 小海町でナイトハイクのガイドをしてくださる中野純さんの座右の銘が、「闇雲」なのだそうです。今年1月、「kotoba 2014年春号」(集英社)という雑誌の取材で、中野さんと天文学者渡部潤一先生の対談に同席した際、お二人に、闇にまつわるお好きな言葉を尋ねたら、中野さんからはこうお返事が返ってきました。以下、誌面からの抜粋です。

「最終的にはこうなりたい、こういうことを達成したいと思って生きていくのがカッコいい、正しいみたいに言われますが、そうするとその目的地に向かってまっすぐ行こうとしてしまう。それは意外に貧相な世界で、生活に面白みがなくなる気がするんです。僕は三〇歳を過ぎてから、闇に積極的に入っていくようになりました。本当に闇雲に闇を求めて闇に入っていったら、人生が楽しくなって、それまでと全然違う豊かな気持ちになっていきました。そしてふと、一寸先は闇で、全然先を見通せないのはなんて豊かなことなんだということに気づいたんです」
 
 一寸先は闇;そんな暮らしが豊かだなんて、考えたこともなかった私には、とても新鮮な言葉でした。
 思えば、闇雲に何かをしたのは、いつだったか?
 ついつい先々のことを考えて、転ばぬ先の杖…ではないけれど、安全に安心に用心に用心を重ねて…と、守りの姿勢がしみついている自分に、はたと気がついたのでした。
 闇雲に生きる豊かさ。それは、がむしゃらに一生懸命に目の前のことに没頭する真剣さとも言えるのではないでしょうか。当然、思い描いた通りの道ではなくなるかもしれないけれど、でも気づけば、意外なところに思わぬ道ができあがる。それは、中野さんがおっしゃったように、とても心躍る、わくわくすることなのかもしれません。
 そして、小海町初のナイトハイクイベントは、いよいよもう間近です。
 深く豊かな闇にどっぷりと浸り、「一寸先は闇」を歩いてみたら、どんな道ができあがるのか、その先にはどんな世界が広がるのか―。
 夜空だけでなく、足下に広がる世界も、楽しみです。
 年齢、職業、参加動機もさまざま人たちと、みんなで同じ闇に浸る夜。そうみんな、「闇友」ですね! 
 今週末、闇の中でお会いできるのを楽しみにしています!