お焼きのこと

 神奈川県相模原市に引っ越してから初めての更新になります。上尾にいたときとはネット環境も変わりました。フレッツ光は戸建て住宅だと料金が跳ね上がるので、ポケットWiFiに。その契約時に無料でWindows8のパソコンを手に入れました。使い慣れたXPとはかなり操作が異なるので、まだ四苦八苦しています。あっそうそう、このブログのメールフォーム・アドレスも変えておかなくては。
 さて、お焼き。いわずとしれた信州名物です。八峰村関連のイベントでも、ふるまわれたことがありました。八峰村が所属する小海ブランド創生なんとか会の別グループでもお焼きをつくっています。
 このお焼き、小麦栽培をしている地域では、たいてい郷土食のひとつとして食べられてきました。相模原も例外ではありません。山梨県と接する市内山間部の津久井地域(現緑区)では「かんこ焼き」というお焼きがつくられています。「かんこ」とは雅楽で使われる楽器だとか。その形にちなんで名づけられたみたいですね。といっても、普通のお焼きと変わらない円形ですが。
 昔は具のひとつとしてウルカ(鮎の内臓の塩辛)も使われていました(域内を流れる相模川は鮎で有名ですが、当時の釣り場の一部は津久井湖底に沈んでいる)。いまウルカを使ったら高価なものになるでしょうね。現在売られている「かんこ焼き」の具は高菜、シメジ、カボチャ、切り干し大根、小豆など。
 この「かんこ焼き」、つい最近まで知りませんでした。農水省だかが選定した神奈川県の郷土食2つのなかに含まれていることも。子供のころ食べた覚えもない。それもそのはず、10数年前に地元のお母さんたちが途絶えかけた食文化を復活させる活動を始めたそうです。
 とにかく食べてみなければ。で先日、販売店のひとつ津久井湖観光センターに行ってきました。売っていたのは冷凍もののみ。値段は税込み1個216円、バカ高い。これでは物珍しさで観光客が買うことはあっても、地元の人の日常食にはなれないように思います。
 別の日に、近所のパン屋で売っていた野沢菜のお焼き(たしか130円)を食べ比べてみました。こちらのほうが、味もボリュームもコストパフォーマンスも数段上。郷土食復興、いいことだと思います。でもクリアしなければならないこともまだまだあるようです。