油はおいしい

 先日の紅花の記事を書いていて思い出しました。紅花の種子はサフラワー油の原料にもなるんでしたね(どうしても食べるほうに目が向いてしまう)。大豆メインのサラダ油に比べると値段もけっこう高い。
 油は嫌われがちな栄養分になってしまいました。低脂肪を売り物にした商品はあっても脂肪たっぷりをうたったものは、ほぼ皆無。でもわたしは油大好きです。豚肉は何といってもバラ。角煮をつくるときに出るラードは捨てないで餃子の皮に練りこんだりしています。野菜のかき揚げは天つゆや塩なし、レモン汁だけでも十分おいしい。油は砂糖とともに、手軽においしさをアップしてくれる。一種の麻薬といってもいいほどです。
 こんなことを書くと時流に逆らって油を推奨しているみたいですね。でも自分では、脂肪摂取量はそんなに多くはないと思っています。炒め物も、たいていは野菜などを蒸し煮してからゴマ油を振りかける程度。砂糖や人口甘味料の入った飲み物はめったに飲みません。
 現在出回っている市販油のほとんどは輸入原料を使って工業的に精製されています。化学溶剤で原料の油分を根こそぎ溶かす。圧搾法とは段違いの効率。そのぶん価格も安くなる。安いのはありがたいのですが、一方で弊害も指摘されています。トランス脂肪酸問題もその一例でしょう。
 昔ながら方法でつくった製品はバカ高くて、おいそれとは手が出せない。油だけでなく味噌や醤油、お酢も同様ですね。国産のゴマや大豆を購入して自分でつくっても買うのと変わらないくらい費用がかかるでしょう。しかも技術がなければ品質的に劣ってしまう。ただ、原料作物を自給できれば、価格の問題だけはある程度解消されます。かつての農家では、それが当たり前でした。
 いま述べたような基本的な調味料はいずれ原料から手作りしたい。今年八峰村に大豆の種を試し蒔きしたのは、そのささやかな第一歩のつもり。その大豆、ちゃんと育っているのか心配です。今月17〜18日には現地に行って確かめてみます。