自家製どぶろく

 以前、自分で「どぶろく」をつくったことが何度かあります。もちろん自家消費用ですよ。
 材料は米(ご飯用)、麹(漬物など用)、ドライイースト(パン用)の3つ。大切な水は水道水を沸騰させて冷ましただけ。添加物なしの純米酒(ただし基準はクリアしていない)といえば聞こえははいいですが、要は簡単に手に入る材料を使っただけの手抜き酒づくりです。あっ、もしかしたらドライイーストは添加物とみなされるのかもしれませんね。たぶん遺伝子組み換え技術を使って大量生産した酵母でしょうから。
 蒸した米と残りの材料を混ぜ合わせて、あとは1日1回攪拌するだけ。そのつど、つまみ飲みして発酵状態を確かめる。ぶくぶく発酵してくるのを見ると、なぜか心躍りました。季節にもよりますが1週間ほどでできあがります。そのもろみはネット(じつはシンクの水切り用)で濁り酒と酒粕に分けました。アルコール度はビール以上ワイン未満といったところでしょうか。
 この濁り酒をビンに入れて密閉しておくと、さらに発酵が進んで炭酸ガス入りのスパークリング日本酒になります。最近は市販もされているようですが、やはり炭酸ガスを抜いた普通の酒のほうがおいしいですね。酒粕のほうは、粕汁や甘酒、粕漬けの材料として使っていました。
 先日仕込み体験した黒澤酒造の酒造りは、当然ながらはるかに繊細・精密です。米も酵母も麹も最適なものを厳選する。自家製どぶろくづくりとはレベルの違いを超えた別物ですね。