フキ三昧

 今回の小海行きでは、地元産のフキを、これでもかというくらい味わいました。

 まずはツアー前日17日に木花に立ち寄り、葉つきのフキをゲット。菊原さんに頼んで事前に用意してもらったものです。なにしろフキ料理をつくるのはフキノトウを除くと初めて。さてどんなものをつくろうか。できれば、ほとんど食べられていないという葉も使いたい。あれこれ思案しながら思いついたのが、肉巻きとクレープでした。
 宿泊先の山小屋についてから、さっそく下ごしらえ開始。茎と葉を切り分けて、それぞれ塩を振って板ずり、または塩もみしたあと軽く湯がく。葉のほうは、塩もみしたあとさらした水が濃い茶色になりました。茎はスジを剥いて17日の作業は、これで終了。
 翌朝、調理再開。肉巻きは豚バラ薄切りを巻き小麦粉をまぶして焼いたあと、甘辛しょうゆをからめる。クレープのほうは生地に蕎麦粉を使いました。田植えのときにいただいた、蕎麦すいとんの残り素材です。具は細かく刻んだフキの葉を炒めてエゴマ味噌で味付け。エゴマは小海産のものを木花で購入しました。
 調理途中、味見、毒見、盗み食い数知れず。とくにクレープの具は、梅爺がNG。「こんなもん、食えるシロモノじゃない」。仕方なく妥協して味を足し、ベーコンと長ネギも加えました。肉巻きについても「アスパラガスのほうがいい」。元シティボーイもどき、いまは単なるメタボオヤジは、田舎の味フキが好みではなかったようです。
 ともあれ、つくった2品を木花ツアーに持参。参加者の皆さんに食べていただきました。皆さん、大人の礼をわきまえた反応、うれしかったです。肉で巻いたフキ、硬かったでしょう? 湯がいたあと、ダシで煮とけば少しはマシだったかも。

 もともと自信のないこの2品が真打に太刀打ちできるわけもありませんね。ツアーで出されたフキ料理は年季が違いました。キャラブキ(定番ですね)、コンニャクと合わせた煮物。どちらも菊原さんの伯母上がつくってくださった料理です。単なる思い付き料理が伝統の味に対抗できるはずもありません。
 キャラブキはツアー翌日、町内のあるお宅を訪ねたときにお茶請けとしてもいただきました。同じキャラブキでも家庭によって微妙に味が違うところが楽しいですね。
 ※上段写真は左から、木花山林に自生するフキ、菊原さんからいただいたフキ2種、小海町五箇で撮ったフキ(地元の人が「トウブキ」とよぶ種類かも。高さ2mにも達する大型です。田植えのときの昼食にはトウブキ料理をいただきました。今回は調理なし、見ただけです)。
 ※下段写真はフキ料理3種。左から葉のクレープ、茎の肉巻き、菊原さん伯母上作のキャラブキ&コンニャクとの煮物(花豆&野沢菜漬け付き)。