鹿肉料理

 たまたまテレビを見ていたら、鹿肉の料理が出ていました(たしか「ごちなります」みたいなタイトルの番組)。何千円もする高級フランス料理、鹿のポアレとかいってったかな。いわゆるジビエ(鳥獣肉)料理のひとつでしょう。
 そこで思い出したのが小海での鹿肉体験。小海では何度も鹿肉をいただきました。おいしく食べられたのは刺身くらいかな〜。焼肉にするならイノシシのほうがはるかにおいしい(クマはまだ食べたことがない)。はっきりいって地元の人には人気ありません。固い、臭い、不味い。地元以外の人は物珍しさで興味を示す人もいるでしょうが、その前に食べる機会さえほとんどありません。
 鹿肉料理のむずかしさは、脂肪分が少ないため熱を加えると固くパサパサになってしまうところにあります。刺身はとにかく、一般的な日本料理の手法では煮ても焼いてもうまくない。鍋物、ダメ。焼肉、ダメ。
 その点、フランス系のジビエ料理は工夫されているように思います。たとえばポアレでは肉をオリーブ油に漬け込んでから焼く。油分を補っているわけですね。あるいは衣で包んで水分を保つ。
 こんなことをヒントに、先日小海に行ったときはピカタ風の料理をつくってみました。まずは冷凍庫に保管してあった鹿肉を、しょうゆ、酒、ショウガ、ニンニクに漬ける。これに小麦粉と卵をつけて焼く。おまけにチーズものせました。竜田揚げもどきの一品。
 余談ですが、最近焼きチーズにはまってます。カボチャや食パンにチーズをのせてフライパンで焼くとカリカリになっておいしいですよ。
 もうひとつはだいぶ前になりますが、鹿肉春巻をつくったこともあります。いつも料理はその場の思いつきでつくることが多いので、レシピはよく覚えていないのですが、普通の春巻と違って鹿肉は下味をつけただけで生のまま皮でくるんでから揚げたんじゃないかな。
 どちらの料理も鹿肉は柔らかくしっとりとした仕上がりになりました。その点ではまずまずだったと思うのですが、イマイチだったのは鹿肉らしさがなかったこと。他の肉でもいいじゃん、という感じ。おいしくしようとすれば鹿肉らしさが消えてしまう。このへんが素人料理のいたらなさです。新たな課題ということにしておきましょう。
 小海でいただいた鹿肉料理としては、ほかにジャーキーがあります。これは生肉同様に、宿泊先オーナーが小海で猟師をしている知人から自家製をいただいたもの。酒のつまみとして絶品でした。商品化できるんじゃないの、と宿泊先オーナーと話したほどです。
 八峰村地元メンバーの方から教えていただいた調理法としては茹で肉があります。自分でもつくってみたことがありますが、クセが抜けてツナ缶と同じように使えますよ。もしかしたら、茹でたあと油漬けにして保存してもいいかも。
 ちなみに日本の中山間地では鹿などの鳥獣被害が問題になっていますね。増えすぎた鹿を食べて減らそう。そんな取り組みが各地でおこなわれてきました。長野県でもホームページのなかに「信州ジビエhttp://nagano-ken.jp/c42.htmlというサイトを設置。そこには内臓も含めて鹿肉レシピが多数紹介されてますよ。