稲刈りのお知らせ

 今度の日曜10/4、八峰村の稲刈りが行なわれます。村長より連絡がありました。集合は朝8:30、八峰の湯。9:00から作業開始とのこと。松原、溝の原ふたつの田んぼを両方刈る予定です。
 ここのところ雨が多く、気温も低めで生育が心配になっていました。案の定、稔りはイマイチらしい。でも、稲づくりの素人がどうにかここまでこぎつけました。今年の経験は来年に生かしたいですね。
 面積は2枚合わせて7畝ほどですが、すべて手刈りになると思います。昨年までより、やりがいのある稲刈りになるのではないでしょうか。一緒に汗を流しましょう。
 ところで、わたしが相模原に引っ越してすでに半年。昨日の日曜は地元の仲間たちと里山イベントを開きました。相模原市は水田の少ない地域なのですが、会場になった里山には沢筋にわずかばかりの水田があります。その田んぼも収穫の時期を迎えていました。なかには黒米だか古代米だかも。それから津久井在来という大豆(小海の鞍掛豆みたいな地域限定種)も、あと1ヶ月ほどで収穫の時期を迎えます。
 八峰村の活動では、これまでいろんな勉強をさせていただきました。その経験を活かして、地元相模原(旧郡部の中山間地)での活動も盛り上げていきたいと思っています。
 あっ、すいません。余計な話になってしまいました。4日の稲刈り、前後の往復日に雨が降らなければ(自転車の雨中長距離走行はきついので)、わたしも参加するつもりです。皆さん、よろしく!

第3回有機農家見学会

 8/22(土)に開かれた3回目の有機農家見学会。そのときの写真とレポートを村長が送ってくれたので、メール本文と併せてそのまま転載します。

八峰村オーナーの皆さんへ
強烈な暑さかと思えば、8月とは思えない涼しさで、野菜が悲鳴を上げているようです。
お元気でしょうか。
8月22日の第三回目のゆうきちゃん倶楽部とのコラボで、交流会を開催しました。
別添のメモをご見聞、願います。
第4回目は9月22日、新規就農で3年目の朝野正三さんの畑を予定しています。
細かな要項は追って連絡いたします。大変、有意義な交流会ですので、是非、ご参加を計画してください。
水田も、何とか穂を付けているようですが、寒気の影響が懸念されます。
自然相手の取り組みは、なかなか難しいですね。
第3回八峰村:有機農家交流会の報告
*第3回有機農業交流会は、8月22日9時より、こうみゆうきちゃん倶楽部の宿岩善人さんの畑で開催しました。

*宿岩さんは日本で最初にビニールマルチ栽培を採用した方で、昭和41年の取り組みだそうです。マルチの敷設により肥料の使用量を2割減少、土の劣化による病気の発生を防ぐ効果が得られるそうです。
*当初はアメリカ製のマルチを使用。日本の風土に合わず、改良を重ねて今日に至っているそうです。
*マルチ使用の成果は、栽培期間の2カ月延長にも繋がっているそうで、栽培した野菜はサニーレタスだそうです。

*タヌキ、ハクビシンなどの被害が大きく、市販の捕獲器で駆除を行っているそうです(写真左)。3年間で19匹ほど、捕獲したそうです。最近は出没していないそうです。
有機無農薬の畑。ナスと収穫後のレタス、インゲンなどが元気に育っていました(写真右)。
宿岩さんは地元農業の代表的な方で、博識な方です。今回は参加者が少なかったですが、様々な作物を栽培しており、再度、教えを乞いたいと思っております。

 甘すぎる果物

 ご無沙汰してます。きのう開かれたはずの有機農家見学会も欠席のやむなきに至りました。定年後のほうが忙しい「こんなはずじゃなかった」状態、当分つづきそうな気配、悲しいやら嬉しいやら。まあ世間は休日ということで仕事先も休み、こちらも束の間の休みがとれました。
 写真右は、相模原市内の知人農家が送ってくれた葡萄(ピオールとかいう品種)、左は甥の営む農園から落下果実を中心に盗んできたブルーベリー(ラビットアイ系)です。ブドウの甘かったこと! というより甘すぎるくらいでした。これだけ甘いなら、そのまま食べるより密造ワインにすれば、さぞかしアルコール度の高いものが造れるかも、などとふと思ったりして。
 ブルーベリーのほうは甘いのやら酸っぱいのやら硬いのやら種々雑多。無選別のまま、半分はジュースに、もう半分はジャムに加工しました。ジャムはまあ普通にできたのですが、ジュースが意外とむずかしい。フードプロセッサーで粉砕して、そのまま冷蔵庫へ。翌日飲もうとしたら、なぜかジャムみたいに固まっている。仕方ないので水でのばしました。けっこういけるのですが、固形物を取り除いてないので舌にざらつくのがイマイチ。そこでコーヒー用のフィルターを使って濾しました。これで、めでたしめでたし!
 ところで最近の果物は、ほんと甘くなりましたね。糖度10何パーセントなんていうのが謳い文句にさえなる。果物だけでなく、野菜たとえばトマトなども甘さを売り物にするようになりました。テレビの食べ物番組などを見ても、大根やニンジンを甘いといって大げさに表現するタレントが当たり前のようにはびこっています。たしかに甘いとおいしい。でも逆に、これだけ甘いものがはびこると、一方で「甘すぎない」が褒め言葉になったりする。
 あくまで個人的趣味なのですが、梨でも林檎でも葡萄でも、べたつくような甘さは苦手です。最近は甘くてねっとりした食感の果物がやたら増えました。これから旬を迎える梨などはシャリシャリと硬いものはほとんど出回らなくなった。まるで桃やラフランスみたいに柔らかい。そのせいもあって、そのまま梨を生食することは少なくなりました。まあソースやドレッシングとして使うのには重宝していますが。
 甘くない果物の復活を!

田植え後約1ヶ月

 今回(といっても、すでに1週間たってしまいましたが)の小海訪問。当たり前ではありますが、畑にも2ヶ所の田んぼにも行くことができました。畑では、半日かけてハウスまわりや遊休区画をひたすら草刈り。それでも刈れたのは半分ほどです。今週末にでも、どなたかが残りを刈ってくれるとありがたいのですが。田んぼのほうは見学メメインで草取りの真似事をした程度。


 すでに何度か記事に書いたように、八峰村の田んぼは今年から新しい借地に替わりました。ひとつは松原地区(もしかしたら八那池?)、もうひとつは溝が原地区にあります。いずれも棚田で、面積はそれぞれ3畝ほど。松原では糯(もち)、溝が原では粳(うるち)を作付しています。
 どちらも村長とSiさんが2人で手植えしたとききました。参加できなかったわたしは「お疲れ様でした」としか言いようがありません。ありがとうございました。
 現在は田植え後約1ヶ月(写真左が松原、右が溝が原)。素人目ではありますが、どちらの田んぼも順調に稲が育っていました。丈数十センチほどでしょうか。用水の取り入れ口付近は生育が遅れていますが、水温が低いためだと思います。
 松原2枚の田んぼのうち下の1枚は、一段下にある道路までかなり水漏れしていました。そのため取水口も開けっ放し。畦づくりをしくじったのか? そういえば、水漏れ防止シートを差し込んだだけで、泥塗りなんてほどんどやらなかった。手抜きのツケが回ったか。しょげこんでいたら村長いわく「以前つくっていたときも同じだった」。多少の気休めにはなりました。そういえば、上側1枚の田んぼは、同じように手抜き畦づくりをしたのに、水漏れほとんどなし。
 稲は手がかからない、なんて言われ方もします。順調に育っているときは確かにそうでしょう。未経験者ばかりの水稲栽培でも、運がよければそこそこの収穫が見込めるかもしれません。問題は何かアクシデントが起きたときです。気候不順や病気が発生したり、台風が襲ってきたり。こうなるとオロオロするだけで何の対処もできない。せいぜいプロの方に泣きつくくらいが関の山。そもそもリスクをきちんと想定できないこと自体が素人の弱点でもあります。
 当初、田んぼに合鴨を放す計画もありました。ネットも準備しました。普通に稲をつくるだけでも覚束ないのに、とても合鴨までは面倒みきれない。きっとそんな判断が勝って中止になったのでしょう。
 まあとにかく神様頼みでいくしかない。とはいえ、八峰村の田んぼ脇を通った地元の方が、気づいたときにはいろいろ手当てしてくれているという話もききました。どなたなのか、わたしは存じませんが、ありがたいかぎりです。その方が神様のひとりとさえ思えてきました。
 いまはただ、無事に秋の収穫が迎えられることを祈るばかり。できた米は凍み餅づくりに使って、残りはオーナーの皆さんで山分けといきたいですね。捕らぬ狸の皮算用も、夢のひとつだと思いましょう。リスクを負わないで何かができる。仮に失敗しても、得るものはきっとある。途轍もない幸せです。何を甘っちょろいこと言ってんだ! 生活がかかっている人からみれば当然の批判でしょう。生活がかかっていなくても、いろいろ手筈を整えた人にとっては関係者に対する立場が危うくなる。なにせ自分の田んぼではなく借りているんですから。

有機農家見学会

 7/25(土)、八峰村有機講習会の一環として、農場見学会が開かれました。訪問させていただいたのは、小海ゆうきちゃん倶楽部のメンバー的埜さん(会長)と板尾さんのところ。オーナー参加者は、わたしを含めて4名。他の倶楽部メンバーも数名同席してくださいました。30度を超える、小海としてはやたら暑いさなか、皆さんお疲れ様でした。
 ゆうきちゃん倶楽部は小海周辺の有機栽培農家が集まったグループ。20代から高齢の方まで、キャリアを積んだ方から新規就農の方まで、互いに交流しながら栽培技術研鑽と販路拡大をめざしています。例年10月半ばころまでは、国道141号線沿いの「高原のパン屋さん」敷地内で直売所を開いていますので、ぜひ立ち寄ってみてください。新鮮で美味しい、なかには珍しい野菜も手に入りますよ。見学会の翌日に店を訪ねたときは、生食用カボチャの浅漬けを試食させていただきました。


 的埜さんとその農場全景。場所は小海町宿戸地区、八峰の湯とは千曲川を隔てた対岸にある集落です。面積は約5反(50a)。高原野菜の農場を除けば、このあたりではかなり広い畑でしょう。多品種少量生産。訪問時には20種近く作付けされていました。このほかに自家用水田が3反、畑2反ほどの農地があるそうです。

 千曲川対岸の八ヶ岳が一望できるロケーション。八峰の湯あたりでは山頂部のわずかしか見られない赤岳も、ここでは中腹部まで望むことができます。写真中央部は八千穂のスキー場。その下は小海の千代里牧場。すいません、写真には赤岳が写っていませんね。山の斜面一段下、同じくらいの面積の畑が、耕作されないまま草茫々になっていました(写真右)。

 栽培作物はトウモロコシ、甘南蛮(トウガラシの一種)、ヒマワリ(種を食用にする)、トマト、ナス、モロッコインゲン、キャベツ、レタス類、空芯菜、カボチャなど。残念ながらキャベツはかなりの虫食い状態。何とか星テントウムシやら、何とかカメムシやらアブラムシは事前に手作業で駆除したので大きな被害は受けずにすんでいるとか。
 トウモロコシの栽培区画に張り巡らされた電柵。高さ数十センチほど。ハクビシンやイタチなど小動物対策用です。電源は乾電池。鹿や猪は山林との境にフェンスが設置されているため、それほどは侵入してこないとか。地面にマルチが貼ってあるのは、雑草繁茂による漏電を防ぐため。写真右は、畑地内に残った、たぶんキツネの足跡。
板尾さんご夫妻。ゆうきちゃん倶楽部直売所で撮らせていただきました。手に持っているのは白トマト。本来は中身まで白色だそうですが、当日見たのは、ちょっと黄色みがかっていました。比較的淡泊なやさしい味の大玉トマトです。こうしたトマトは直売所だけでなく、レストランなどにも納めています。トマトやレタスを具にしたイタリアン風お焼きづくりも計画中だとか。











 板尾さんが営農中のハウス(南相木村日向地区)。八峰村の資材置き場のようなスティールパイプ製ではなく、頑丈な鉄骨で組まれていました。面積も何百坪か。20年ほど前に建てられたものを板尾さんが譲り受けて使っているとききました。屋根の開閉も電動でできたそうですが、今は故障したままになっていました。ハウスでの作物はトマト主体。そこでは見たこともない品種が何種類も栽培されていました。ゼブラ模様(右写真)、ナスのように長いもの、前述した白色などなど。大きさもミニから特大まで。トマトの上にはブドウの木が1本、蔦を巡らせていました。

 左写真は板尾さんの畑のひとつ。このあたりは山と畑の境にフェンスがないため、野生動物に直撃を受け、自前でネットを張ってもさほどの効果なし。この畑で作っていたジャガイモは、イノシシに食われて全滅しました。高さ1.5mくらいのネットなら、イノシシは飛び越えるらしいですよ。
 右写真は板尾さんのハウス近くに設置されたソーラー発電施設。以前は南向きのは畑だったところです。遊休農地活用のひとつなのでしょう。中山間地には、全国でかなりの数設置されるようになってきました。でも、せっかくの農地がこうしてつぶされていく。他の設置場所を考えてもいいのではないか。そんな考えがふと頭をよぎりました。地元でも賛否両論あるみたい。

もうひとつの有機農業講座

 八峰村の第1回有機農業講座、無事終わったでしょうか。わたしは昨日の仕事の都合で参加できなくなってしまいました。朝からのイベントに参加するためには前日の小海入りがほぼ必須。というわけで諦めた次第です。代わりというのも変な話ですが、昨日は仕事先の出版社が開いた、八峰村とは別の有機農法セミナーに顔を出しました。講師は高知県本山町で有機農業を営む山下一穂さんという方。
 有機野菜は多少見てくれが悪くても仕方ない。山下さんは、こんな「常識」に真っ向から異をとなえる農業者です。安全で美味しくてきれい。有機・慣行とは無関係に、そうでなければ買ってもらえません。元ミュージシャンという異色の経歴、そして土佐自然塾という学校の塾長でもあります。
 話をきいていて印象に残ったのは柔軟性ということでした。フレキシビリティ。たしか山下さんは自分の農法を超自然農法という言葉で表現していたと思います。いわゆる自然農法は無農薬・無肥料は当然として、不耕起も加わりますね。でも山下さんは、ポリマルチも使う。ときには有機肥料を入れる。耕すときもあれば耕さないときもある。要は「土にきけ」。土の状態を見て柔軟に対処する。
 その対処の基盤となるのが自然生態系といってもいいでしょう。生物の多様性といいかえてもいい。害虫がいて天敵がいて雑草も生えて。その雑草が天然マルチになったりもする。そうした生態系を維持しやすいのが中山間地、日本農業の主たる場でもあります。メリットは大きい。大規模農場ではむずかしいメリットがいくらでも残されている。
 山下さんが強調していたのは「マーケットはある」ということでした。現在の有機野菜の流通量は1%にもなりません。有機に関心はあっても値段が高くて日常的に使う人は限られているのが現状です。アメリカでは有機野菜が、すでに大規模流通に乗っている。有機認定はもしかしたら日本より厳しいかもしれない(たとえば有機でない残飯由来の肥料は不可)。スーパーのイオンなどが進めている有機野菜販売強化は、たぶんアメリカ並みを目指しているのでしょう(その情けない実態?が週刊誌に暴露されたりしてましたが)。キューバではソ連崩壊以降、有機農業主体に舵を切った。そうした流れをそのまま後追いするかどうか、できるかどうかは別として、有機志向は強まることはあっても衰えはしないはずです。
 このことは多くの農家が感じているはずです。だから若い新規就農者も有機志向が強い。でも現実に跳ね返されている。そこを突破するにはどうしたらいいか。山下さんは「客が決める」という言い方をしていました。

八峰村村長の講演会

 スローライフ。いまではおなじみの言葉になりました。経済成長ばかり追い求めるのはやめようよ。発端となったのは、イタリアのスローフード運動だといわれています。ファストフード、そのシンボルともいえる「マック」追い出し。もちろん凍み餅はスローフードのひとつですね。
 日本ではスローライフ・ジャパンなどの組織が活動を続けています。その一環として、八峰村村長の講演会が千代田区麹町で開かれることになりました。期日は6/16(火)、19:00〜。以下、そのご案内です。

6月の「さんか・さろん」は渡辺 均さん(長野県小海町)「スローライフ八峰村の挑戦」のお話です。
渡辺さんは、八ヶ岳山麓の体験農園「八峰村」(やっほうむら)の“村長さん”。かつては、調査研究・マーケティングの専門家として、東京中心に各地の仕事をされてきました。
そんななかで“自前流通の必要性”を痛感し、口先ばかりのコンサルタントではない“言ったことはやる、やったことを言う”道を選び、現在は小海に根を下ろされています。
原発被害を受けた飯館村への支援・連携のために続けている飯館の伝統保存食“凍み餅”を共に作るプロジェクトは、スローライフ学会のなかでも知られる活動です。
皆で酒米作りから取り組んでつくる銘酒「こうみざかり」をいただきながら、脱:大量生産/大量生産型社会への挑戦ともいえる、八峰村での活動をうかがいます。
○日 時・・・6月16日(火)19時〜
○会 場・・・クオリティKK・会議室マーキュリールーム
       (千代田区麹町3丁目3 KDX麹町ビル6階)
       地下鉄麹町駅の近く。新宿通りに面して麹町4丁目交差点から半蔵門寄り徒歩1分。 
○主 催・・・スローライフ学会、スローライフ・ジャパン
○参加費・・・会員1,000円、一般2,000円(学生500円、講師紹介1,000円)
○参加ご希望の方はこちらまで
       メールslowlifej@nifty.com
       TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554